ご挨拶
第53回日本臨床分子形態学会総会・学術集会
会長 永田 浩一
(愛知県医療療育総合センター発達障害研究所・副所長)
このたび、第53回日本臨床分子形態学会総会・学術集会の会長を拝命しました永田浩一です。
本学会は、1968年に臨床電子顕微鏡学会として設立された、歴史と伝統を誇る学会です。当初は電子顕微鏡の臨床応用がメインテーマでしたが、時代の要請に応え、幅広く形態学的研究を行なっている臨床・基礎医学研究者にも広く門戸を開いた学会を目指して、2004年11月より現在の日本臨床分子形態学会となりました。全身の諸疾患、病態を対象とし、形態学から分子生物学的な観点まで、臨床および基礎の両面から集学的に討議することを目的としております。学会設立当初は、消化器、生殖系、整形外科の臨床系医学研究者が主体でしたが、その後中枢神経系、眼科、皮膚科領域をはじめとした多数の分野からの参加が増加しました。一方、基礎領域からは、病理、解剖領域に加え、薬学、微生物学や観察手法の開発領域からも多数の研究者が参加します。
本学会の大きな特徴は、発表に対して専門性の異なる多彩な観点からの意見を聞くと共に、活発な議論により学際的な研究の発展を目指そうとする点です。今回も、オープンな雰囲気の学会を開催し積極的な情報交換を目指したいと考えております。
この会を名古屋で開催するのは、第17回(1985年)の名市大・解剖学の渡仲三会長以来36年ぶりとなります。名古屋大会を成功させるために、実行委員の総力を挙げて準備をしております。
開催概要(メインテーマ)
今回の学会のメインテーマとして、「臨床・基礎研究のクロスオーバー」を取り上げました。最近は学際的な研究、集学的な研究の必要性が大いに増しております。形態研究も、基礎研究と臨床研究の協調的発展が求められます。名古屋大会では、この認識を再確認し、臨床と基礎の研究者が一堂に会して健康と福祉の向上につながる成果を挙げたいと考えております。
特別講演としては、小崎健次郎教授(慶應義塾大学医学部臨床遺伝学センター)に最先端の臨床遺伝学知識の形態学への応用について、また、山田泰広教授(東京大学医科学研究所システム疾患モデル研究センター)には、遺伝子修飾によるがんの多様性という最近注目のテーマについてお願いしております。
さらに、分子形態技術やその応用に関連したシンポジウム、ワークショップを企画しており、多数の一般演題応募が期待されます。
新型コロナウイルス感染の影響は避けがたいと思われますが、分野を異にする多くの研究者の皆様に学会を大いに楽しんで頂けますよう全力を尽くします。三密を避けるための大きめの会場を用意し、感染防止対策を徹底して皆様をお迎えいたします。サイエンスの合間には、中秋の名古屋、御三家筆頭尾張62万石の歴史と文化も併せてご堪能ください。
令和2年12月吉日
第53回日本臨床分子形態学会総会・学術集会
会長 永田浩一(愛知県医療療育総合センター発達障害研究所・副所長)
渉外委員長 中山敦雄(同センター同研究所・所長)
プログラム委員長 千田隆夫(岐阜大学大学院医学研究科解剖学・教授)